「ゲスの玉座」デッキ 解説編
2011年3月19日 TCG全般さて、皆さんは「増殖」という能力についていかがお考えでしょうか?
僕は、対象を望むだけ選び、カウンターなら何でも増やせるんだから、強い能力であるのには違いないと思っています。
以前、白昇天を増殖して勝利を狙うデッキを組んだこともありました。その時は青白の二色で組んでいたのですが、増殖を挟んで勝つよりも、普通に青白コン的な動きをして勝つことの方が多かった印象があります。
「確かに強力な能力だが、わざわざ勝ち手段に選ぶ意味は薄い」
それが僕のこれまでの考えでした。
しかし、MBS登場以降、増殖をめぐる環境は大きく変化したと言えます。
■太陽の宝球の登場
第一に、「太陽の宝球」というマナファクトが登場したことが非常に大きい。
増殖能力と永遠溢れの杯の相性の良さは、言わずもがなのものでしたが、似たような性格の「太陽の宝球」というカードが登場したことは大きな収穫です。
デッキを組む時のセオリーとして、「8枚ないとデッキにならない」という考え方があります。
デッキのメインの動きを担うカードは、似た役割を担えるものが少なくとも8枚ないと、安定した動きを期待できない、ということがその含意です。
これに従うと、太陽の宝球の登場により、増殖対象となるマナファクトを8枚投入できるようになったことで、増殖を用いたデッキが成立する可能性は大きく向上したと言えるでしょう。
■増殖フィニッシャーも安定
増殖デッキに相応しいフィニッシャーとは?
各種昇天や、毒カウンターなど、色々案はありますが、結局のところPWが一番良いでしょう。
身も蓋もない結論ですが、何しろできることの幅が広く、他の手段とは対応力が段違いです。
8枚のマナファクトを投入するこのデッキで特に相性が良いのは4マナPW。
2Tマナファクト設置→3T4マナPW着地、は至高の流れであり、その後に増殖まで待ち受けていたら相手はかなりウンザリでしょう。
環境で有用なPWといえば、一番手で挙げられるのが「精神を刻むもの、ジェイス」。
芸達者な上、最終奥義でゲームをクローズできるのですから、増殖のフィニッシャーとして最適な存在です。
そして、MBSで登場した「ボーラスの工作員、テゼレット」もまた同様の条件を満たすカードです。
基本パートナーとなるマナファクト、そしてフィニッシュ力のある4マナPW。
これらのカードをそれぞれ8枚獲得した増殖デッキ。
「期は熟した」
そう言えるでしょう。
■増殖手段は何が良い?
増殖対象が充実したことはお伝えした通りですが、肝心の増殖手段として最適なカードは何でしょう?
「着実な進歩」「かき鳴らし鳥」「伝染病の留め金」「目的のための燃料」……。
さまざまな選択肢がある中で、最適のものはずばり「ゲスの玉座」であると思います。
なぜなら、増殖の基本パートナーとなるマナファクトの抱える「複数手札にくると腐る」という問題を解決できるからです。
2マナで設置でき、手札でだぶつく可能性の高いアーティファクトを餌にして増殖を行えるのですから、増殖デッキにうってつけの存在です。これは4枚投入確定でしょう。
次点で優秀なのが、宝物の魔導士からの1挿し伝染費エンジン。
デッキスロットの節約になり、シルバーバレットで場面に応じた有効牌をサーチできるのですから、柔軟性がとても高い。
これら二種8枚の増殖手段、二種8枚のマナファクト、二種8枚の4マナPWがあれば、デッキの動きは約束されたも同然です。
■追加フィニッシャーたち
4マナPWに加えて、このデッキのフィニッシャーとして据えたのは、四種のカード。
●追加の4マナ域
まず、4マナPWと似た役割の「光明の大砲」。
マナファクトによって3ターン目に着地でき、パーマネント破壊という受けの広い能力が使え、増殖で手助けもできる。4マナ域が渋滞しているため枚数は二枚に抑えましたが、増殖デッキではとても強力な存在です。
●シルバーバレット三種
宝物の魔導士によって、色々なデッキに強いカードをサーチできます。
ワームとぐろエンジンは、イージーウィンの狙えるただ強カード。信頼おける存在です。
精神隷属器は、増殖により訳の分からないマナが出る可能性のあるこのデッキにはちょうど良い重さです。
トリスケリオンは、シナジーの高さを評価しました。貴重な火力にもなります。
■脇を固めるカード二種
脇を固めるカードとして選んだのは、胆液の水源と黒の太陽の頂点の二種。
胆液の水源は、ゲスの玉座やテゼレットと大変相性の良いカード。他のドローソースを差し置いて入れるだけの価値があります。
黒の太陽の頂点は貴重な全除去の上、増殖とも噛み合います。また、アーティファクトを多く入れたいデッキなので、ライブラリー帰還を当て込んで枚数を抑えられるのはとてもありがたいです。
■戦略
1.マナファクトから3TPWを決める
2.増殖しつつアドを稼いで勝利!
■弱点
相手への干渉手段の少なさ
■増殖を選ぶ理由
現環境に増殖と相性の良いカードが揃い、それをこのデッキに詰め込んだ、ということはこれまでご説明した通りです。
では、冒頭のお話に戻って「なぜ増殖を選ぶのか?」というお話です。
その答えはずばり、相手の状況に左右されにくいこと。これにつきます。
例えばクリーチャーで殴り勝つデッキの場合、相手が壁を出している、除去を持っている、より大きいクリーチャーをコントロールしている、などなど、とても多くの不確定要素に左右されます。
しかしPWとアーティファクトは、クリーチャーよりも隙が少なく、不確定要素は限定されます。
ひとたび形を整えることができれば、なかばソリティア的に勝利を狙うことができます。
これまではカードプールが少なく、対応力が低いことが難点でしたが、MBSで追加されたカードを採用することでその問題は解消されます。
現行スタンダードで活躍を続けるヴァラクート然り、ある程度の条件が揃えばソリティア的に勝つことができるデッキというのは強力です。
言わば「王者のマジック」と言えるでしょう。
玉座に鎮座して、あなたも「王者のマジック」を味わってみてはいかがですか?
僕は、対象を望むだけ選び、カウンターなら何でも増やせるんだから、強い能力であるのには違いないと思っています。
以前、白昇天を増殖して勝利を狙うデッキを組んだこともありました。その時は青白の二色で組んでいたのですが、増殖を挟んで勝つよりも、普通に青白コン的な動きをして勝つことの方が多かった印象があります。
「確かに強力な能力だが、わざわざ勝ち手段に選ぶ意味は薄い」
それが僕のこれまでの考えでした。
しかし、MBS登場以降、増殖をめぐる環境は大きく変化したと言えます。
■太陽の宝球の登場
第一に、「太陽の宝球」というマナファクトが登場したことが非常に大きい。
増殖能力と永遠溢れの杯の相性の良さは、言わずもがなのものでしたが、似たような性格の「太陽の宝球」というカードが登場したことは大きな収穫です。
デッキを組む時のセオリーとして、「8枚ないとデッキにならない」という考え方があります。
デッキのメインの動きを担うカードは、似た役割を担えるものが少なくとも8枚ないと、安定した動きを期待できない、ということがその含意です。
これに従うと、太陽の宝球の登場により、増殖対象となるマナファクトを8枚投入できるようになったことで、増殖を用いたデッキが成立する可能性は大きく向上したと言えるでしょう。
■増殖フィニッシャーも安定
増殖デッキに相応しいフィニッシャーとは?
各種昇天や、毒カウンターなど、色々案はありますが、結局のところPWが一番良いでしょう。
身も蓋もない結論ですが、何しろできることの幅が広く、他の手段とは対応力が段違いです。
8枚のマナファクトを投入するこのデッキで特に相性が良いのは4マナPW。
2Tマナファクト設置→3T4マナPW着地、は至高の流れであり、その後に増殖まで待ち受けていたら相手はかなりウンザリでしょう。
環境で有用なPWといえば、一番手で挙げられるのが「精神を刻むもの、ジェイス」。
芸達者な上、最終奥義でゲームをクローズできるのですから、増殖のフィニッシャーとして最適な存在です。
そして、MBSで登場した「ボーラスの工作員、テゼレット」もまた同様の条件を満たすカードです。
基本パートナーとなるマナファクト、そしてフィニッシュ力のある4マナPW。
これらのカードをそれぞれ8枚獲得した増殖デッキ。
「期は熟した」
そう言えるでしょう。
■増殖手段は何が良い?
増殖対象が充実したことはお伝えした通りですが、肝心の増殖手段として最適なカードは何でしょう?
「着実な進歩」「かき鳴らし鳥」「伝染病の留め金」「目的のための燃料」……。
さまざまな選択肢がある中で、最適のものはずばり「ゲスの玉座」であると思います。
なぜなら、増殖の基本パートナーとなるマナファクトの抱える「複数手札にくると腐る」という問題を解決できるからです。
2マナで設置でき、手札でだぶつく可能性の高いアーティファクトを餌にして増殖を行えるのですから、増殖デッキにうってつけの存在です。これは4枚投入確定でしょう。
次点で優秀なのが、宝物の魔導士からの1挿し伝染費エンジン。
デッキスロットの節約になり、シルバーバレットで場面に応じた有効牌をサーチできるのですから、柔軟性がとても高い。
これら二種8枚の増殖手段、二種8枚のマナファクト、二種8枚の4マナPWがあれば、デッキの動きは約束されたも同然です。
■追加フィニッシャーたち
4マナPWに加えて、このデッキのフィニッシャーとして据えたのは、四種のカード。
●追加の4マナ域
まず、4マナPWと似た役割の「光明の大砲」。
マナファクトによって3ターン目に着地でき、パーマネント破壊という受けの広い能力が使え、増殖で手助けもできる。4マナ域が渋滞しているため枚数は二枚に抑えましたが、増殖デッキではとても強力な存在です。
●シルバーバレット三種
宝物の魔導士によって、色々なデッキに強いカードをサーチできます。
ワームとぐろエンジンは、イージーウィンの狙えるただ強カード。信頼おける存在です。
精神隷属器は、増殖により訳の分からないマナが出る可能性のあるこのデッキにはちょうど良い重さです。
トリスケリオンは、シナジーの高さを評価しました。貴重な火力にもなります。
■脇を固めるカード二種
脇を固めるカードとして選んだのは、胆液の水源と黒の太陽の頂点の二種。
胆液の水源は、ゲスの玉座やテゼレットと大変相性の良いカード。他のドローソースを差し置いて入れるだけの価値があります。
黒の太陽の頂点は貴重な全除去の上、増殖とも噛み合います。また、アーティファクトを多く入れたいデッキなので、ライブラリー帰還を当て込んで枚数を抑えられるのはとてもありがたいです。
■戦略
1.マナファクトから3TPWを決める
2.増殖しつつアドを稼いで勝利!
■弱点
相手への干渉手段の少なさ
■増殖を選ぶ理由
現環境に増殖と相性の良いカードが揃い、それをこのデッキに詰め込んだ、ということはこれまでご説明した通りです。
では、冒頭のお話に戻って「なぜ増殖を選ぶのか?」というお話です。
その答えはずばり、相手の状況に左右されにくいこと。これにつきます。
例えばクリーチャーで殴り勝つデッキの場合、相手が壁を出している、除去を持っている、より大きいクリーチャーをコントロールしている、などなど、とても多くの不確定要素に左右されます。
しかしPWとアーティファクトは、クリーチャーよりも隙が少なく、不確定要素は限定されます。
ひとたび形を整えることができれば、なかばソリティア的に勝利を狙うことができます。
これまではカードプールが少なく、対応力が低いことが難点でしたが、MBSで追加されたカードを採用することでその問題は解消されます。
現行スタンダードで活躍を続けるヴァラクート然り、ある程度の条件が揃えばソリティア的に勝つことができるデッキというのは強力です。
言わば「王者のマジック」と言えるでしょう。
玉座に鎮座して、あなたも「王者のマジック」を味わってみてはいかがですか?
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