「滞留者ヴェンセール」デッキ解説編

2011年3月26日 TCG全般コメント (4)

カードプールが広がるごとに、どんどん強さを増していくカードというものがあります。
「石鍛冶の神秘家」などは好例で、次期エキスパンション「Action」にて「戦争と平和の剣」が登場したら、さらに存在感を高めることでしょう。

装備品という、もともと強力なカードタイプに関する強力な効果を持ったカードなのですから、ある種当然の成り行きと言えます。

今回主軸に据えた「滞留者ヴェンセール」についても、同様のことが言えます。
隙が少なく、実用性の高いCIP持ちのカードをより強力に使うことができるこのカード。今後カードプールが広がり、有用なCIP持ちが増えるに従い、強力さを増していくであろうことは明らかな事実です。
ローテーションで「精神を刻むもの、ジェイス」がスタン落ちした時には、青白コントロールにとって無くてはならない存在になっているはずです。

そんな有望株を、どのようにすれば活用できるのか？今後の予習として、現時点での「滞留者ヴェンセール」デッキを考えてみました。

■どの効果を使うべきか？
まずもって、ヴェンセールを使う場合に考えるべきは「どの効果をメインで使うべきか」ということ。プラス能力と小マイナス能力とが、そこまで噛み合っていないためです。
ここはやはり、「プラス2」という強烈な上がり幅をいかすためにプラス能力をメインに据えるべきかと思います。
基本的には最速エンブレムを目指してプラス能力を連打しつつ、状況に応じてマイナス能力を活かせる構成にするのがベストだと考えます。

■能力対象として相応しいカードは？
プラス能力を3連打して、エンブレムを獲得、という流れを実現する上で重要なのは、プラス能力の対象に何を選ぶか、です。
ここで第一候補として挙がるのは、「相手の盤面を停滞させられて、かつちらつき効果の恩恵を受けられるカード」です。
今回はそのようなカードとして「前兆の壁」「転倒の磁石」「霜のタイタン」「ギデオン・ジュラ」を選びました。
●安心、安定の壁
やはり前兆の壁は入ります。ただでさえ手札を減らさずに出せる壁が、終盤は腐らずにアドマシーンとして活用できるのですから、当然といえます。

●二種のタッパー
転倒の磁石と霜のタイタンの二種のタッパーは、「プラス能力三連打→エンブレム」を助ける最良のカードです。
特に霜のタイタンはアタック後の第二メインでちらつかせることで、1ターンに2つのパーマネントを縛るという鬼のような動きを行います。オマケ的に擬似警戒まで付与できる…。
ヴェンセールが5マナ、霜のタイタンが6マナなので、流れとしても綺麗です。
ヴェンセールは小マイナスで攻撃を通せるので、タイタンとの相性は最高です。正直タイタンならばどれでも良いのですが、特に相手の場に干渉できる霜のタイタンは好相性です。

●ギデオンが恒久除去に
二種のタッパーで相手のクリーチャーをタップすれば、ギデオンは安心して暗殺できます。ヴェンセールでちらつかせれば忠誠値はリセットされるので、毎ターン相手のクリーチャーを減らすことができます。

■攻めのちらつきとして
これまでは継戦能力を高める手段としての、ちらつきの活用を考えました。
これよりももっと手っ取り早いのは、「毎ターンちらつかせるだけで勝てるカード」を入れることです。
その候補として考えられるのは、「伝染病エンジン」と「イシュ・サーの背骨」の二種です。どちらも6マナ以上なので、宝物の魔導士からサーチできる形にして、引ける可能性を水増ししています。

■その他のカード
青白らしく「定業」「マナ漏出」「審判の日」の三種を入れました。
定業は、重量級呪文の多いこのデッキで安定してマナを伸ばすためには必須です。
また、4T審判の日→5Tヴェンセール着地、となれば、安心して忠誠値を貯められるというものです。
唯一怪しいのはマナ漏出で、あんまり構えるタイミングの多くないこのデッキでは、もしかしたら他のCIPカードと交換しても良いかもしれません。

■戦略
1.打ち消しや壁などでしのぐ
2.ヴェンセール着地、審判の日やタッパーなどでしのぐ
3.エンブレム獲得して勝利

■弱点
ヴェンセールに依存した構成なので、引けないと劣化青白に成り下がること

■留まることない強さ
ミラディン次元に滞留しているヴェンセール。しかしその強さ、そして可能性は、留まることを知りません。
今後もますますその存在感を増すことでしょう。
そんなヴェンセールでデッキを作ってみるのはいかがですか？